冠水した車のエンジンをかけてはいけない理由と、水が引いたあとの手順
水に浸かった車はエンジンを始動すると重大な故障につながります。感電の危険もあります。水が引いたあとに何をすればよいかを整理しました。
まずエンジンをかけない
冠水した車のエンジンを始動すると、吸気口から水を吸い込むことがあります。 空気は圧縮できますが水は圧縮できないため、シリンダー内部の部品が破損します。 いわゆるウォーターハンマー現象で、エンジンそのものの載せ替えが必要になることもあります。
水が引いて外観が乾いていても、内部に水が残っていることがあります。 「動くかどうか試す」ためにキーを回すのが、最も避けたい行動です。
電気自動車・ハイブリッド車では車体に触れない
駆動用の高電圧バッテリーを積む車が冠水した場合、感電のおそれがあります。 車体や充電口、水に浸かった部分には触れず、離れた場所から販売店またはロードサービスに連絡してください。 これは水が引いたあとも同じです。
閉じ込められたときは脱出を最優先に
水位が上がってドアが開かなくなるのは、車内外の水圧差によるものです。 水が窓の高さまで来る前に、次の順で判断してください。
- まずシートベルトを外す
- ドアが開くうちに外へ出る
- 開かない場合は窓を開ける。電動窓は水没すると動かなくなることがある
- 窓が開かない場合は脱出用ハンマーなどで側面のガラスを割る。フロントガラスは合わせガラスで割れにくい
水が引いたあとの手順
- エンジンをかけない。バッテリーのマイナス端子を外せるなら外す(EV・HVを除く)
- 浸水の高さを記録する。ドアの内側やシートに残る水位の跡を写真に撮る。保険の手続きで使う
- 車内外の写真を撮る。浸水した場所の状況もあわせて残す
- 保険会社に連絡する。契約内容によって手続きが異なる
- 販売店・整備事業者に連絡する。自走させず、レッカーで運ぶ
被害の程度の見かた
おおまかには、水がどこまで来たかで対応が変わります。あくまで目安で、実際の判断は整備事業者に委ねてください。
| 床面まで | 電装品やフロアの状態を点検。乾燥と清掃で済む場合もある |
|---|---|
| 座面まで | シート下の電装品や配線に及ぶ。内装の取り外しを伴う作業になりやすい |
| ハンドルより上 | エンジンや電装系の広範囲に影響。修理費が車両価格を上回ることも多い |
修理か手放すかの判断は、修理見積もりと車両保険の内容を突き合わせて決めることになります。 金額は車種・年式・浸水の程度で大きく変わるため、複数の見積もりを取ることをおすすめします。
時間がたってから出てくる不具合
直後に動いていても、あとから症状が出ることがあります。
- 電装品の誤作動(パワーウィンドウ、メーター、警告灯)
- 配線やコネクタの腐食による接触不良
- カビや臭い、内装の劣化
- ブレーキやサスペンションの部品のさび
浸水した車は、その後の点検でも浸水歴を伝えてください。